2016/11/08

9回目の邑の映画会が終わって

 今年も邑の映画会におじゃましてきました。
 まず今年の最初のアニメーションは、岡本忠成監督の「ホーム・マイホーム」。地面の上を歩くキツネと、地中を進むモグラ。同じ方向へと進むのに交わることのない2匹。楽しい歌に合わせて繰り広げられるたった4分の映像に、切ない想いが入り混じる。
 神保まつえ監督の「くつやとこびと」は、こびとたちの動きが可愛いかった! こびとたちがある日突然おじいさんとおばあさんの前から消えてしまったのは何故なんだろう。それが気になって仕方がなかった。
 アレクサンドル・ペトロフ監督のデビュー作「雌牛」。これはもう言葉は不要でしょう。傑作です。ガラス板に油絵具で描いたという絵が醸し出す映像のざわつき感がとても良かった。
 フレデリック・パック監督の「トゥ・リアン」を観ると、欲を振り払って自由に生きたいと強く思わせられました。
 スタッフもキャストも不明という「ドタバタ撮影所」は、キャストがライオンにお尻を噛まれて、もうおかしいやら、ひやひやするやら、最高でした。

 そして小栗康平監督のお話。今回のテーマは「映画は祈り」。監督のお話を聴くと、いかに自分が生活の上でも、芸術の上でも横着をしているか、叱られている気になってしまいます。もっと、もっと真剣にならなくては。

 劇映画は、フェデリコ・フェリーニ監督の「道」。わたしは、ザンパノでもジェルソミーナでもなく、リチャード ベイスハート演じる軽業師の男に、妙に感情移入してしまった。他人をからかってばかりいるくせに、本当は誰かを愛したいと思っている、変な男。詩人だなって思いました。


 とにかく、今回の邑の映画会は、いつもに増して凄い作品ぞろいでした。アーティスティック・ディレクターの加藤一枝さん、本当に本当にお疲れさまでした。そしてありがとうございました。来年は小栗康平監督の「FOUJITA」を上映するそうです。皆さんも、ぜひ行きましょうよ!

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