先日、上野までボッティチェリの展覧会を観に行き、その線の美しさに見惚れてしまいました。
ボッティチェリが描く女性のからだのラインをみると、華やかさの中に色気があり、誰もが魅入ってしまうほど美しく、ため息がでました。後世の画家では、藤田嗣治にどこかそういうところがあると思いました。
わたしが、線が美しいなあと思う画家は、先の藤田と、安田靫彦(この春、竹橋で大規模な展覧会があります)、それからハンス・ベルメール。3人とも共通点のないようですが、見る者を惹きつける強烈な個性があります。
線が美しいというのは、なんともエロティックで、対象をなめまわすように見つめないと描けない。わたしは生来エロティックなものより、グロテスクなものに惹かれる性質なのですが、それでも引き付けられる、生きている線。そういうものが描ける人は、やはり「ホンモノ」だなあとしみじみ思います。そして、自分に欠けているのは、じっくりものを瞠る執念というか、エロス、そのものなんだと思うのです。
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