2016/03/10

線の画家

 先日、上野までボッティチェリの展覧会を観に行き、その線の美しさに見惚れてしまいました。
 ボッティチェリが描く女性のからだのラインをみると、華やかさの中に色気があり、誰もが魅入ってしまうほど美しく、ため息がでました。後世の画家では、藤田嗣治にどこかそういうところがあると思いました。

 わたしが、線が美しいなあと思う画家は、先の藤田と、安田靫彦(この春、竹橋で大規模な展覧会があります)、それからハンス・ベルメール。3人とも共通点のないようですが、見る者を惹きつける強烈な個性があります。
 線が美しいというのは、なんともエロティックで、対象をなめまわすように見つめないと描けない。わたしは生来エロティックなものより、グロテスクなものに惹かれる性質なのですが、それでも引き付けられる、生きている線。そういうものが描ける人は、やはり「ホンモノ」だなあとしみじみ思います。そして、自分に欠けているのは、じっくりものを瞠る執念というか、エロス、そのものなんだと思うのです。

0 件のコメント:

コメントを投稿

第二詩集『デラ・ロッビア・ブルーの屋根』ご予約受付中です!

   第二詩集『デラ・ロッビア・ブルーの屋根』が完成いたしました。私の日常や旅の思い出をたくさん詰め込みました。限りなく私的な作品が、どこまで詩的に結晶化したか、皆さんお読みになってご体験くださいませ。   只今Amazonでご予約受付中です。    以下詳...